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「世界に通用する一流の育て方」

地方公立からハーバード大学に娘を入れたお母さんの教育論。

●評価

全体評価:3
(1,2,3-,3,3+,4,5の7段階評価)

内容:3

読みやすさ:3

コメント:娘を大分県の公立高校からハーバード大学に入れたお母さんの教育方法が書いてある。ここに書いてあることをそのまま真似できる人は少ないだろうが、モーレツ母さんはここまでやる、という気合いは参考になるだろう。

(2016年発行、唐津留真理、SB新書)

・本を読んで取り入れたいと思ったアクション

勉強しなさいと言わないこと。

 

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・習い事は遊びではなく、真剣に。習い事で達成感を味わると、前向きに学習するようになる。どんな小さなオーディションやコンクールでも何かの賞をとる。

・ほめてやる気と自信を伸ばす。目標の半分でも達成したらほめる。

・子どもが飽きる1分前に勉強をやめて、学習に興味を失うことを防ぐ。

・勉強しなさいと言わない。子どもの近くで、本を読んでいる姿を見せ、娘もそれを見習って読むようになる。

・小学生になったらやることをto do リストで管理する。

・学校の勉強は平日だけ。週末や長期休みは学校に何年通っても決して学べない貴重な経験なので、音楽・スポーツ・ボランティア活動などをする。

・親が子どもに勉強の価値を教える

・大切なのは日本語でも英語でも語彙を増やすこと

・問題集は解かずに答えをまず覚える

 

●感想あれこれ

地方公立高校からハーバードということだが、こうした猛烈お母さんがいたら、そういう発想や狙いもでるだろう。

「義務教育は学校に外注、それ以外は家庭学習で、6歳までが重要な時期だから親が得意なことを家庭学習で伝授。絶対音感は幼い頃でないと身につかないから、音符カードを手作りして、4歳で完璧に譜面が読めるようになるまで教える。2歳から漢字と英語の読み方を教える。英語の本もどんどん読んで4歳で英検3級(中学卒業程度)獲得。」というポイントを列挙するだけで、猛烈な教育ママが伝わってくる。本には塾なしで娘はハーバードに行ったとあるが、著者であるお母さんが塾や教育ビジネスをやっている人。

このモデルをもし目指したいならば、娘の教育のために親が圧倒的な時間を使えること、さらに1人の子どもに集中できることはポイントになるだろう。子どもが勉強を飽きる1分前にやめさせるとか、そんなことを毎日することは簡単ではないよね・・。正直両親がフルタイムで働いていたり、1人っ子ではなく兄弟姉妹の子どもがいる親には、再現性がなさそうである。

1つ親として読者として注意して欲しいポイントは、2歳で漢字とか4歳で英検3級とか、すごいとは思うが、何でも早くやればいいのか、という視点だ。将来的に学んで欲しいものを、どの程度どの年齢までに習得すべきなのかは、立ち止まって考えてもいいと思う。こういう本を読むと、「あの子があの若さで●●したのだからうちの子も・・・」という気持ちについついなってしまうが、他人は他人である。自分の家庭としてはどうしたいのか、は考えて欲しい。個人的にはいくらなんでも、4歳で英検3級とか、親のエゴでしかないと思う。

しかしだからといってこの本が参考にならないということではない。本を読んで気に入ったポイントがあれば、取り入れればいいし、こうした猛烈教育ママの気合いは、子育て世代の参考になるだろう。

また、真似できるかどうかは別としても家庭学習、つまり「ホームスクーリング」は検討に値すべき学習形態だ。アメリカなどではホームスクーリングといえば、学校には行かず、家で教育を与えることを指す。親が優秀で本当に子どものために時間を割けるならば、その子のためにオリジナルでカスタマイズされた教育は、従来の多数向けの画一的な教育に比べ、圧倒的な学習効果をもたらすのは当然だと思う。

アリヴェデルチッ!