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「お母さんの「敏感期」モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる」

モンテッソーリ流の教育本。

●評価

全体評価:5
(1,2,3-,3,3+,4,5の7段階評価)

内容:3

読みやすさ:2

コメント:モンテッソーリ流教育について。考え方から、具体的な遊び方まで書いてある。

(2013年発行、相良敦子、文芸春秋)

・本を読んで取り入れたいと思ったアクション

大人は子どもが一人ですることを手伝うために、工夫して努力する。

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・敏感期は生物学用語で、全ての生物の幼少期に一定のことに対して、感受性が敏感になる短い時期のこと。モンテッソーリはこうした敏感期を教育に役立てようとした人。

・教育方法の土台は日常生活練習。モンテッソーリは子どもが何かに集中しているのを見かけたら、よく見守りましょうが原則。

・幼児期は子どもが喜んで学べるような成長をとげれるように、学齢期以上になれば、困難を乗り越える苦しみを知ることも大切。

・おけいこごとは集中して1つのことをする喜びを知るため。

・3歳から7歳ぐらいの間は聴覚の敏感期。微妙な音の際にも気がつく一生に一度の時期。微妙な音の違いを区別して言い当てるというゲームはその時期1回きりの特別に敏感な感受性を使える遊び。3-6歳に徹底して身につけるべき基本的技術は折る、貼る、切る、縫う。

・幼児期は身体を100%使って、精いっぱいの努力を惜しまない一生に一度の時期。この時期に全力投球の経験をした子どもは、小学生以後、何事にも力を出し切れる。バランス感覚を身につけたり、4歳前後は運動の敏感期。

・モンテッソーリ教育は自立と自律を育てる教育。子育ての目標は自分のイニシアティブで取り組み、自分のリズムで続け、自分のオリジナリティを打ち出せる人柄と能力。大人はすぐに手を出して子どもの手伝いをしてやるのではなく、子どもが自分1人でやるにはどんな援助が必要かを考える。子どもが一人でするのを手伝うために、大人が工夫して努力する。考えないでただするだけの進学教育だと、本当の自律能力は失われる。自立の道筋は、自分から自由に関わる→かかわったことを続ける→続けるうちに全人格的関わりになる→関わりぬいてやった!すんだ!わかった!などの実感で終了。

・1歳から2歳の子どもに関しては、ひっぱる、つかむ、など子どもがやりたがっている手の動きについて、「引っ張ってはダメ」「投げてはダメ!」と言わなくてもいいような遊び道具を用意する。

・子育てに大切な5つの法則:1大人と子どもは違う、2大人の目的は結果・子どもの目的は過程、子どもの動きをよく見て「なんでそうするの?」「何に困っているの?」、3子どもは親・子ども同士を見ている、4「1度にあれこれ言わず、1つのことだけを伝える」「ゆっくり見せる」、5熟成「はじめは下手で時間がかかるが、わかったら繰り返しやって熟成する。そうして初めて次の段階にいく」「周囲の大人の理解が必要」

・成功した人の育った家庭では、家庭の色々な雑用や責任を小さい時から分担させて、適度な責任のもと自律的行動を繰り返し強調されている。その後専門領域を持ち始めると、ベストを尽くすこと、しっかりやること、を言われて毎日繰り返し実行していた。

●感想あれこれ

有名なモンテッソーリ教育について読んでみよう、と思い手にとった本。

自律と自立と2つの言葉を使っているが、正直紛らわしい。だが教育は自立のため、という考えはその通りだと思うし、モンテッソーリ流の考え方には共感できる。本としては、正直あまり読みやすい感じではない。

ただ第5章ではかなり細かく1・2歳とか、3・4歳とか年齢別に、具体的な遊び方や遊び道具の作り方などの紹介があるので、実践的なアドバイスを求めている人には、このへんの情報は役に立つと思う。

アリヴェデルチッ!