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「AI世代のデジタル教育 6歳までに鍛えておきたい能力55」

工学博士ママがすすめるデジタル教育

●評価  3+
全体評価:
1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:3

読みやすさ:2

コメント:能力55個は多い。能力55個はデジタル教育と関係ない普遍的な資質が書かれていて、そこにデジタル教育的に言えば何がおすすめか、具体的なアプリなどが書いてある。紹介している例は豊富なので、それを求めている人にはおすすめ。

(2017年発行、五十嵐悠紀著 河出書房新社)

・本を読んで取り入れたいと思ったアクション

特になし。(但し具体的なアプリやサイトは参考になる)

 

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・乳幼児期にスマホやタブレットを長時間使わせることで考えられる発達への影響は、依存症や愛着形成不全、発達不全。また依存症が怖いので、家族が子どもの使用状況を把握することが大事。

・プログラミングスキル自体を磨くことは、将来開発環境が変わるので、意味がない。なぜプログラミングを学ばせたいか。21世紀型スキルを育てるためには、好奇心に注目して、遊びを中心に育てていくことがいい。

・子どもが自分で遊び方を発見できるアプリを。子どもとの対話を引き出せたり、考えたり創造性につながるか。親がまず自分でちょっとやって見せたり、親の関わりが必要で、子どもからのフィードバックも大きいアプリが本当の意味でよいアプリ。タブレットやスマホを使ったら、体を使って体操するなどを1セットにすることもおすすめ。

・プログラミングで幼稚園から小学生低学年ならばスクラッチジュニア、8歳以上ならスクラッチとビジュアルプログラミング言語がオススメ。他にはViscuitなどの言語のワークショップを受けさせてみる。この辺に興味がなければ、Hackforplayでゲームのプログラムを変えるゲーム。もしくは手のひらサイズのラズベリーパイ。ビジュアルプログラミング言語から本当のプログラミングをするまでの助走期間におすすめ。10歳頃になると、抽象的な思考ができるようになり、通常のプログラミングなどがしやすくなる。

・論理的思考能力を養うには、はなまる学習会のthinkthinkのアプリや、algoというカードゲーム。親子の会話があるような絵本アプリ「ピッケのおうち」。デジタル絵本の「ねこみっけ」や、お絵かきアプリの「ぐるぐる!」、ぬり絵ARの「Quiver」、レゴブロックにモーターを備えたプログラムが組める「レゴマインドストーム」や、ソニーのロボットプログラミング学習ツールのKOOV、アマゾンアメリカの知育玩具を毎月配送するSTEM Clubなど。間違い探しや絵探しで、忍耐力を鍛える。パズルはタングラムキングや、ドラゼミのひらめき図形パズル。

・Show and tellで家族でも、今週あった出来事などを実物や写真を見せながら、説明する機会をつくる。お遊戯会など皆で1つのことを成し遂げる行事が多い日本と、欧米ではshow and tellのように1人が発表する機会が多い。しりとりは語彙を増やすにはいい。食べ物しりとりや、乗り物しりとりなど条件をつけると、より広がる。社会の勉強にはキッザニアや、FamilyAppsでお仕事体験アプリ。世界の国旗クイズはんぷく一般常識アプリ。

・自宅で実験体験してみる。AglCの回路マーカーや、KORGのlittleBitsで電子回路の組み立て、Moff Bandでウェアラブルなオモチャ。

・情報リテラシーの身につけ方として、バンダイナムコゲームスの小学生向けネットリテラシー教育や、東京都教育委員会のSNS東京ルール、「ミッキー&フレンズとネチケットを学ぼう!」など。

 

●感想あれこれ

気持ちはわかるが、普遍的な能力55個は多過ぎ。全てできれば、それは完璧だろう。

上記ピックアップはその55の能力というより、デジタル教育という観点で、オススメされているものを選んだ。具体的なアプリなどが豊富に紹介されていて、そういった情報が欲しい人には大いに参考になるだろう。子どもの情報リテラシー教育のサイト、もミッキーマウスが頑張っているんだね。

こういう絵本とか面白そう。

アリヴェデルチッ!