「一生食べていける力がつく 大前家の子育て」
著名な経営コンサルタント・大前研一氏の子育て本
●評価
全体評価:4
(1,2,3-,3,3+,4,5の7段階評価)
内容:4
読みやすさ:3
コメント:親は子どもに、自分で考える力をつけ、自信をもたせる。そのための大前流子育て観が、紹介されている。
(2012年発行、大前研一著 PHP文庫)
・本を読んで取り入れたいと思ったアクション
・親に教えられることを1日も早く作らせる。
・子どもには能力を伸ばすだけでなく、責任をもつことも教える。
・愛情は時間で測れる。妻、子ども、家庭、ボランティア、社会貢献など金だけでなく、時間も使う。
・夏休みの宿題は計算問題よりボランティアを。
・本のポイント
(太字は私が勝手に引いた強調)
・親の最大の役割は「自分でメシを食える大人」に育てること。子どもに生きていく自信をあたえること。特別な才能がない平凡な人は勉強するしかない、と親は言うが才能がないのに勉強しても無駄。学問的な才能がないとわかっているならば、どうすればうまく生きていけるかを一緒に考えてあげることの方が大事。
・これからの日本人に一番必要なことは、ダイバーシティに満ちたグループのマネジメントやリーダーシップ。今の学校制度の「右向け右」の人間は21世紀では、よく調教されているが答えや手本がないと何もできない人間で、最も価値が低い。
・父親が教育を母親に丸投げすることはやめる。あれはするなこれはするなと子どもを枠におしこめない。教育と調教は違う。教育は自分で考える力を持たせるもの。
・親に教えられることを1日も早く作らせる
・食事中はテレビを消して会話。家族旅行計画を子どもがたてる。小遣いを廃止し家庭内利権をあたえ、窓拭きの利権をもっていたらうまくできたらアウトソーシング料としてお金を支払う。家庭内で投資運用益を競い合う。サマーキャンプに参加させる。
・子どもには能力を伸ばすだけでなく、責任をもつことも教える。教えるべき4つの責任は「自分」「家庭」「会社」「国家・社会」。
・愛情は時間で測れる。妻、子ども、家庭、ボランティア、社会貢献など金だけでなく、時間も使う。
・暗記の宿題など、コンピュータが得意なことを人間が競ってやることは無駄。夏休みの宿題は計算問題よりボランティアを。学校の勉強するより、シムシティをしろ。学校の成績とその後の人生は無関係。
・親が干渉し過ぎると子どもの判断力がつかない。
・国際教育の基本は価値観がわかるということ。語学力=国際コミュニケーション力ではない。
・全ての出発点は家庭。
●感想あれこれ
バッサリと既存の教育を切り捨る風は、さすがの大前節。
最後には子ども2人のインタビューもある。長男がそこで言っている、親は「自分から生まれてきた人間だけど、子どもは親とは違う一人の人間である」と認めること、は本当にその通りだと思う。
子どもの教育というと、能力を伸ばすことにフォーカスした本が多いが、それだけではなく、社会に貢献することやボランティア活動、責任をもつこと、などまでしっかり触れられていて良かった。
アリヴェデルチッ!