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「フランスの子どもは夜泣きをしない」

アメリカ人著者が論じた、フランス流子育て

●評価
全体評価:4
1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:4

読みやすさ:3

コメント:子育てで寝れない、疲れきっているお母さんにオススメ。もうちょっと気楽に子育てしていいのだと、教えてくれるはず。

(2014年発行、パメラ。ドラッカーマン著 集英社)

・本を読んで取り入れたいと思ったアクション

赤ちゃんの要求に応じず、まずちょっと待つ。観察する。赤ちゃんが自力で学ぶチャンスを奪わない。

 

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・最初にアドバイスするのは、赤ちゃんが産まれたら、夜にすぐにあやすのはやめてください、ということ。赤ちゃんにすぐに応じず、赤ちゃんが自力で落ち着くチャンスを与えてやる。産まれたばかりのときから、そうするのです。夜にミルクを欲しがったり、抱き上げてほしがったりしても、ちょっと待って観察して本当に必要かどうか見極める。もちろん、赤ちゃんが強く要求するときは、ミルクを与える。泣かせっぱなしにしろというのではなく、赤ちゃんに学習するチャンスを与える。

赤ちゃんの要求に応じず、ちょっと待つ。上手な眠り方を赤ちゃんに優しく教えてあげるのが、親の仕事。生後8か月の赤ちゃんに付き合って、夜中に何時間も起きることは献身的な愛情ではなく、赤ちゃんの睡眠に問題があり、家族のバランスが崩れている証拠とみなす。子どもの睡眠に問題があると、母親にうつ症状がでたり、家族機能が全体的に低くなる。

・夜には眠らせるために、抱きしめたりゆすったりあやしたりしない。生後1週間の赤ちゃんは、真夜中から5時までに泣いたときは、親は布で巻いたり軽くたたいたり、おむつを替えたり、抱っこして歩いていいが、授乳はそれでも泣き止まない時だけ。泣いているのか、睡眠中にむずかっているのかを識別する。それをするかしないかの実験で、赤ちゃんの睡眠時間とパターンに差が出た。

・泣かせっぱなしのクライングコントロールは、数日で効果がでる。放置する場合の最も大きな障害は親の一貫性の不足。クライングコントロールする場合は、その前に赤ちゃんに説明する。「あなたが目を覚ましたら一度はおしゃぶりをあげる。そのあとは、もう起きない。今は寝る時間なの。ママは遠くに行ったりしないし、一度は部屋に入って安心させてあげる。でお夜中ずっと一緒じゃない」など。朝まで眠れるテクニックをたやすく学習できるのは、4か月のチャンス。

・赤ちゃんにも独自のリズムがあるように、家族にも親にもリズムがある。そのバランスを探る。朝飯、昼飯、おやつタイム、夕飯と4時間おきに定期的にご飯をあげて、自然と1日4回食事のリズムをつくる。

・保育園にあずけるのは、辛いが母子分離の問題。お母さん達も自分の人生を大切にして下さい、と本にはよく書いてあるが、シッターを一度も使ったことのない母親はたくさんいる。子どもの世話は全て自分の仕事だと思っている。パリでは、週に数時間でも子どもを預けて罪悪感を持たずに、自分の時間をもつことが普通。

・特定のルール違反に対しては、即座に激しく子どもを叱る。それは親によって異なるが、譲れない領域は他人への敬意。「ボンジュール」を大切に、挨拶を必ずしっかりすること。親や大人に礼儀正しくしたり、他人へ暴力をふるわないなど。

・教育を成功させるには、ときには指図に従わない自由を選ぶまで、子どもに指示に従うことを教えること。まず従うこと自体を学ばなければ、特定の指示だけに従わない、ということをできない。

・食事をしっかりする。子ども向け食事ではないものを、大人と一緒に食べる。子どもも毎回料理や食事の準備に関わる。フランス人はデスクでサンドウィッチをかじることは食べたうちに入れない。食べるとは自分以外の人とテーブルに着席し、ゆっくり時間をとって、同時には他のことをしないという意味。前菜から出し、野菜しか出さず、どの料理も最低一口は食べるルールを使ったりする。

 

●感想あれこれ

この本のポイントを一言でいうならば、赤ちゃんに振り回され過ぎずに、赤ちゃんが家族のリズムに合わせられるようにしよう、ということだ。

クライングコントロールなどをどこまでやろうとするかは、家族次第だが、赤ちゃんのせいで眠れない、ストレスがたまる、家族の関係が悪い、などといった人は読むべき本。

批判的にこの本を読めば、親が自己中心的で赤ちゃんの世話をしていないだけ、と考える人もいるかもしれない。しかし、家族生活にストレスを抱えている人は、こういったマインドセットを知ることだけでも、効果的ではないだろうか。ひたすら赤ちゃんの要求に応え、家族が疲弊することが、長期的に家族のためとなるのか、考えるにはいい契機となるだろう。教育に関して、「指図に従わない自由を選ぶ」という点も、日本では指図に従わせるならばそれしかないので、知っておくべき視点。

またアメリカ人から見た、フランスの子育てという視点も興味深い。アメリカもフランスも日本とはまた違うが、これを読むと子育てに関しては、英米式の方が近そうだ。英米、フランス、日本は国の成り立ちも考え方も違うので、その哲学や文化の差が教育につながっているという視点で、この本を読んでも面白い。

ちなみに、もしこういった視点に興味があれば、私が大好きなこの本は大変オススメ。教育や子育ての本ではないが、裁判制度という切り口から、この3者の国や社会・個人に対する考え方と制度の違いを考察した本。

アリヴェデルチッ!

 

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