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「「東大に入る子」は5歳で決まる」

精神科医師で大学受験のプロの和田秀樹氏の著作

●評価
全体評価:2
1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:2

読みやすさ:3

コメント:小さい頃から勝ち癖をつけて、自信をつけることは大切よ、という本。

(2017年発行、和田秀樹著 小学館)

・本を読んで取り入れたいと思ったアクション

特になし

 

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・賢い子育てに必要なのは、金ではなく親の自信。それが子どもの自信につながる。その自信を持続させるために、テストでいい点を取るなど、自信を根拠のあるものにしてかないといけない。

・ほめて子どもの野心を引き出し、自信をもたせる。子どもに競争させ、勝つ成功体験をさせる。

・リビングなど家族が集まる場所で勉強する

・勉強は子どもの将来のリスクヘッジになる。好きなことをするのはいいが、それを食べていくことは大変だと知っておく。子どものパワーを分散させない。勉強とプラスひとつの好きなことに絞る。

・子育てノートをつける。前向きなママ友を持つ。

・ポイントは何月生まれであっても小学校入学前後に子どもが自信を持つことが大事。

●感想あれこれ

東大合格者の多くは4-6月生まれが多いと感じている、ということで小さい勝ち癖をつけることが大事という議論。帯にも大きくこの議論があって、本の最初に書いてある話の割には、「感じている」とか感想ベースで頼りない。というか、この議論は「天才!」の焼きまわしよね。

正直この本の方が全然良い。

小さい頃から自信を持たせるとか、自己肯定感を持つという大まかの議論には賛成。

ただその文脈の中で、中学高校受験進学校から東大というルートを推していたり、東大絶賛の議論、幼少期のつめこみ教育の推奨、イクメンに反対して古風な父親像など、正直「昭和の議論」が盛り沢山に聞こえる。申し訳ないが、大変古くさい。それが残念。

自己肯定感を持つことは大事だが、その目的のために、東大は1つの方法でしかない。その方法論はもっと柔軟で現代的であって欲しかった。もちろんわかりやすい例で「東大」を出しているのだろうが、ちょっと「東大感」が強過ぎて読みにくい。

和田さんは教育系の本をたくさん書いていて、私も色々読んでいいなと思う著作もある。それなのに、たまたま紹介しようと読んだ最新作が一番の駄作でなんだか申し訳ない気持ちだ。彼の別の良い本も機会があれば紹介したいと思う。

アリヴェデルチッ!