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「天才は10歳までにつくられる」

注目を集める「ヨコミネ」式の横峯型保育園幼稚園の創業者の著作

●評価
全体評価:5
1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:5

読みやすさ:4

コメント:著名なヨコミネ式教育について。特に3歳以上の保育園・幼稚園の子どもがいるお母さんには、オススメ。小さな子ども達が圧倒的なパフォーマンスを出すことで有名なヨコミネ式の考え方と内容は、知っておくべき。子どもの無限の可能性というが、言葉だけではない、自分たちが想像できない程の可能性に驚くばかりだ。著者はメディア露出も多く、プロゴルファー横峯さくらの叔父としても有名。

(2007年発行、横峯吉文著 ゴルフダイジェスト社)

  • 本を読んで取り入れたいと思ったアクション

・子どもの可能性は無限。子どもを信じる。

・親は子どもに教えない。教えず、アドバイスで自学自習に導く。

・人間はそもそも学びたい、知りたいという欲求がある。最初から勉強嫌いの子どもなんていない。集中できない理由は簡単で、つまらないから。自分で学ぶ力を持つ子どもに育てる。

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・大人がするべきことは、子ども達が自分で学ぶ力を伸ばすこと。子ども達の才能をうまく導き出すこと。子どものスイッチを入れることが親や教育者の役目。

・子どもをだきしめない、あまやかさない、色々教えずに自分で学ばせる。泣きわめいても短気をおこしても、安易に手をさし伸ばさない。なぜできないのかを見極めて、アドバイスする。できないことは繰り返し続けさせて、できるようになったら初めて褒める。ずっと褒め続けると効果がなくなる。厳しい中でやっと褒められるから嬉しい。さらに言えば、褒めるより認める。褒めるという行為自体、子どもを見下している。無限の可能性がある子どもを見下してはいかない。自信を持って、叱るときは叱る。3歳以上になったら、抱きしめない。

最も気をつけるべきは母親の溺愛。溺愛は人を堕落させるし、溺愛の理由は子どものためではなく、親の自己満足。親の自己満足で子どもの一生をつぶさない。

・読書は10歳までには3000冊を読破。読み聞かせだけでは本好きにならない。文字学習は漢字平仮名カタカナの区別なく、簡単なものから。計算はゲーム感覚で競わせる。百ます計算など。英語は日常の中に組み込む。1日20分とか。体操は5歳男児のすべてが逆立ちでレスリング勝負。1日10分の駆け足で姿勢も良くなる。跳び箱、レスリング、ブリッジ、水泳など。男の子は勝ち負けのある中で強くなる。音楽は自学自習。簡単な音階を教えて、あとは自由に。子ども達には、基本よりまず楽しさ。学びたい、勉強が面白い、と思える環境をととのえる。

・横峯式保育園では0-2歳は音楽と英語。3歳児で読み書き・計算・体操(駆け足)・英語・英語劇・音楽・山学校、4歳児で読み書き・計算・体操(駆け足・ストレッチ・逆立ち・ブリッジ)・英語・英語劇・音楽・山学校・レスリング(男子)・お手伝い(女子)、5歳児で読み書き・計算・体操(跳び箱・駆け足・ストレッチ・逆立ち・ブリッジ)・英語・英語劇・音楽・山学校・レスリング(男子)・お手伝い(女子)・水泳。

教師や親のせいで自分の能力をなめてかかる子どもが増加。余計なことを言わずに見守れる親になる、必要以上に子どもに干渉しなくなる、そして何より子どもの能力を信じる。

・親は子どもに絶対に教えない
課題を与えて、自分でやらせてみる。子どもが何か尋ねてきたら、指導ではなく、アドバイスする。毎日少しの時間でも自学自習させる。2日おきにみっちりやるより、3分でも5分でも、本を読ませる、計算させる、英語を聞かせる。幼児期は読み書き、計算、体操、音楽、英語の5項目に取り組む。短時間毎日を繰り返し、習慣にする。それぞれ毎日20分ずつ行う、を積み重ねる。

・考える能力や運動神経を司る小脳は6歳までに9割が出来あがるので、それまでの幼児期を大切にする。

・自分で考え行動し、失敗して学んで成長する。体験や失敗から学ぶので、大人は辛抱強く待つ。自学自習の繰り返し学習が大切。幼児期は好奇心のかたまり。危ない、汚い、邪魔はダメ。

子どもをダメにしているのは、一斉授業という学校のシステムと、親の強要。子どもはやる気や集中力が違うので、マンツーマン指導が有効。子どもに自学自習させ、先生は要所要所でアドバイスすることが良い。

何かを教えるということ自体、大人が上で子どもが下という考え方。子どもができないことを嘆くより、本当に考えるべきは親の姿勢。

大人の世界では良い悪いは別に競争はある。幼児期に必要以上に守られて甘やかされることは、百害あって一理なし。勝ち負けつけて、負けることを知ることも重要。得意不得意があることが人間。一番になれ!、と育てて昨日より上達していたら心から褒める。上達していなければ、きちんと叱って何度でもやらせる。秀でてる子を見せて、違いを考えさせる。

人間はそもそも学びたい、知りたいという欲求がある。最初から勉強嫌いの子どもなんていない。子どもを自学自習できる、自分で学ぶ力を持つ子どもに育てる。

・自学自習を教え始めるのは3歳程度から。読み聞かせ、本、英語などはお腹に赤ちゃんがいる時から。

・子どもがそれに集中できない理由は簡単で、つまらないから。ゲーム感覚、達成感がある方が子ども達の集中力は高まる。目標設定して、達成できたら思い切り褒める。

●感想あれこれ

多くの点で、非常に共感できる本。私もこれまで子ども達の教育を考える上で、たくさんの影響を受けた「ヨコミネ式」について。

ヨコミネ式がすごい!と思えるのは、その圧倒的な子ども達のパフォーマンス。可能であれば、この本を読むより、このDVDシリーズを1回見て欲しい。映像を見ると、ヨコミネ式とか聞いたこと見たことない人は驚くはずだ。

幼稚園保育園の年齢の子どもが朝一で裸足で全力ダッシュしたり、本を大量に読んだり、絶対音階を身につけたり、全員逆立ちで校庭を走ったり、自分の身長程の跳び箱を次々に飛んだり、など驚愕の映像の連続だ。

私はどうせある程度の年齢になったらできることを、無理に早くできるように猛特訓する幼児教育については、別に良いとは思っていないが、大人でもできないことをこの年齢の子ども達がどんどんやるようになる、ということに驚嘆を感じ得ない。

子どもの可能性の大きさを過大評価し過ぎることはない、という意味で何度も読み返すべき本。

子どもの限界とは、大人が勝手に大人目線で、これ位しかできないだろうと、子どもを甘くみているだけなのだ。

 

アリヴェデルチッ!