Pocket

「七田式子育て理論36年の法則」

右脳教育で有名な七田式幼児教室創業者の子育て理論。

●評価
全体評価:1 

1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:1

読みやすさ:3

コメント:評価は1にしてしまったが、私には評価不能という方が正しいのかもしれない。書いてあることは、常識の範疇を超えていて信じられない話が多々あり、常識的視点で読めば、かなりの「トンデモ本」だ。七田式の幼児教室をあれほど展開して著作も多い七田氏が、こんなメチャクチャなことを書いて客が集まるはずがない、と思うだけに本当に不思議。世の中には科学でまだ証明できていない真実はあると思うので、これが事実だったら素敵だと思うが、まあこの本だけ読んで信じられる訳ないよね。

(2004年発行、七田眞著 講談社+α文庫)

  • 本を読んで取り入れたいと思ったアクション

子どもをしっかり抱きしめて愛情を伝える。子どもにも抱きしめてもらう。

 

・本のポイント

(太字は私が勝手に引いた強調)

・0歳から6歳までの子ども達は右脳優位。赤ちゃんは生まれながらに無限の可能性を秘めているから、その資質が時と共に失われないようにする。成人時の脳の90%が2-5歳でつくられる。

・世界の大脳生理学者は早期教育の大切さを訴えている。
感覚から受け取った経験が、脳細胞に仕事を教えてるのに重要な役割を果たす。幼児期を過ぎると、この作業を学習する機会は失われる。(1981年のデビッド・ヒューベルとトールセン・ウィーゼルの研究。ノーベル賞)

・よい早期教育と間違った早期教育
よい早期教育は「生まれた時から愛情をかけて手をかけて言葉をかけて褒めて育てること」。間違った早期教育は知識の詰め込み。

8秒間の強い抱きしめ
親が子どもを抱きしめて「●ちゃん、大好き」と言う。その後、子どもにも強く抱きしめてもらう。赤ちゃんはしっかり抱いてあげて、しっかり語りかける。

・5分間暗示法
子どもが寝入りじに瞼がぴくぴくしている時に、「●ちゃんが大好きよ」「●ちゃんは友達と仲良く遊べるようになります」「●ちゃんは水を恐がらずに遊べるようになります」など暗示を入れる。この暗示で愛を伝える。この暗示法で病気も克服。

・カードフラッシュ
右脳の活性化、瞬間記憶を育て、右脳と左脳をつなぎ言語力を育てる意義がある。知識注入のためではなく、右脳の高速大量記憶機能を目覚めさせる。

・語りかけ
「お母さんは●が大好き」「やさいい心はきれいで大きいのよ。わがままな心は汚く小さいのよ」「あなたは自分の心が小さい方がいい?大きい方がいい?きれいな方がいい?汚い方がいい?」「人を傷つけることは、心が美しいこと?心を汚すこと?」「よく我慢できたね、えらかったね」

命令語、否定語、禁止語は自分を認めてくれない言葉。こういう言葉をかけられるとやる気が萎える。根気を育てる意味で、子どもの目標を聞いてあげる。

・ルースシモンズ(全米初のアフリカ系名門大学学長)の母親の教育方針
人間として正しく生きていくことが大切。1つ目は人間的な強さをもつこと。2つ目は道徳心を持つこと。3つ目は人間関係を大切にすること

・子どもは複雑なものを覚えるのが得意で、理解せずに丸暗記するのが得意。理解を求めずに大量に暗記させることが、天才を育てる方法。

●感想あれこれ

フラッシュカードや暗示までなんとかついていこうとしたが、ESP能力(超感覚的知覚。カードを裏から透視したり、言葉を用いず自分の思いを相手に伝える能力)で、この能力を5分間暗示法でつけるとか、「RV(リモートビューイング)で透視能力者を育てるのは、さして難しいことではありませんでした」「右脳は宇宙と同調する脳で目隠しして波動速読」「テレパシーはごく普通の右脳の能力」といった内容が次々と出てきて、ついていけなくなった。

長年幼児教室をやっていてこの発言があるということは、七田式の子ども達は超能力者だらけなのだろう。七田式とか知らずに、ただ1冊の本として読んだら、「宇宙人はいる」的な本と同じレベルにしか見えないのは、私の頭が固いからだろうか。右脳を鍛えると本当にここまでできるのか、それともこんなこともできると思いこんでしまうのうか。

この本を脳科学系と位置付けたら、脳科学者が怒りそうだが、脳科学系の本はこれを入れて3冊目。よく同じようなノーベル賞をとったハーバード大教授とかの研究を引き合いに出しながら、ここまで違う内容になるなと感心する。

七田式で超能力を身につけた子ども達は、現在どうなっているのだろうか。こんな能力者が量産されてら、カジノは既に潰れていると思うのだが・・・。そして七田式に通う人は、こういう本を読んだ上で行くのだろうか。誰か行った人がいたら教えて欲しいし、本当ならば行ってみたい。

 

アリヴェデルチッ!