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「0~3才の子育てハッピーアドバイス」

京大医学部卒の診療内科医の先生が書いた子育ての本。

●評価
全体評価:5

1,2,3-,3,3+,4,57段階評価

内容:4

読みやすさ:5

コメント:幸せな人生を送るために最も大切なことは、自己肯定感だという主張が、しっかり貫かれている本。医者の著作だが専門的というより、随所にマンガがあったりするなど、むしろ非常にやさしく書かれていて読みやすい。この世代の子どもがいるママは必読。

(2017年発行、明橋大二著 1万年堂出版)

  • 本を読んで取り入れたいと思ったアクション

・幸せな人生のために、子どもの自己肯定感を育てる。

・甘えさせるが、甘やかさない。

 

  • 本のポイント

・日本の子どもは自己肯定感が低い。3歳までは、自分が大切にされているという気持ちを育む大切な時期。

・甘えと自立はあくまで子どものペースで。甘えを突き放したり、「自分でやる」という自立心を奪わない。

・「甘えさせる」と「甘やかす」は違う。

甘えさせるはいいが、甘やかすはダメ。

「甘えさせる」は情緒的な要求にこたえること。子どもができないことを手助けする。子どものペースを尊重すること。

「甘やかす」はあれ欲しいこれ欲しいという物質的な要求に言われるがままにこたえること。子どもができることまで手を出すこと。大人の都合ですること。

子どもを甘えさせずに突き放すと、自立ではなく孤立する。不安があって甘えを求めることは、甘やかしではない。

・1歳の子どもは大事なことはルールを守るより、自分の気持ちを表現できるようになること。2歳まではルールを守ることも理解することもできない。

・2歳になると自己主張の気持ちは強くなるが、他人の事情はまだ理解できないので、自己中心的・わがままな言動になる。この時期は自己主張をすることが大切なので、それは順調に育っている証拠。

・子どものかんしゃくは心が成長して要求は出すが、周りの情況を判断できないし、自分の気持ちもうまく伝えられないジレンマから来る。自己主張できる位育ってきた証拠。

・いやいや期の対応
まずは子どもの気持ちを認めて共感する。その後よしよしと抱きしめる。それでもダメな時は理由をせつめいする。それでもダメな時は、いけないことはいけないと伝える。

・赤ちゃんは想像以上にスキンシップや関わりによる安心感を求める。抱き癖は心配ない。

・泣いても嫌な顔して否定せず、泣きたい気持ちも受け止める。

子どもの一挙一投足が育て方のせいだと思わない。持って生まれた性格だとどんと構える。子育ての9割は、年齢とともに解決する。

子どもの自己肯定感を育てるには、親の自己肯定感を育むことが、絶対に必要。

・0歳児はお母さんがいなくなると、一瞬いないのではなく、この世からいなくなったと思ってしまう。目の前にいなくても存在するのだ(対象恒常性)ということを、2-3歳にかけて、少しずつ学んでいく。そのトレーニングとして「いないいないばあ」は大きな意味がある。待たせたりする時も、親が事情や気持ちを言葉で伝えるといい。

・0歳から1歳半は、親から絶対的な安心感信頼感を育ててもらう時期。1歳半から3歳はいわゆる第一反抗期(自立期)。この時期は、自分が自己主張したり反抗したり怒ったり泣いたりマイナスな感情を出しても、自分は受け止めてもらえる、見捨てられないということを確認する時期。

・小さい時にちゃんと怒りや不満を表現できた子どもは、それをコントロールする術も少しずつ身に着けていく。逆の場合に、大きくなってから暴力をふるったり、弱いものいじめをするようになる。

●感想あれこれ

能力や才能を伸ばすということより、幸せな人生を送れる子に育てるためには自己肯定感が大事、という考えが貫かれており、大賛成。具体的にこういう場合はこうした方がいい、みたいな話もマンガも使いながら、わかりやすく書かれている。

0-3歳児のお母さんが悩むような内容に対して、「その年齢では普通のことで悩まなくていい、順調に育っている証拠だよ」、と知っているだけで安心できる内容が書いてある本。この年齢の子どもがいる子育てママパパにおすすめ。

 

アリヴェデルチッ!