「一流の育て方」
最近「一流」「エリート」などのキーワードで、売れ線の本を書くムーギー・キム氏の本。20万部売れたヒット作。
●評価
全体評価:3-
(1,2,3-,3,3+,4,5の7段階評価)
内容:3
読みやすさ:1
コメント:キンドルではなく紙の本で読んだが、文字の太字部分と、線引き部分が異様に多くて、目がチカチカして読みにくい。色々な教育の話を聞いてきてまとめた感じで、非常に幅広い内容。言っていることはいいのだが、見にくさと内容の詰め込み過ぎ感があいまって評価は低くなった。
(2016年発行、ムーギー・キム ミセス・パンプキン著 ダイヤモンド社)
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本を読んで取り入れたいと思ったアクション
・他人と違うことを恐れない。自分で考える。「他人がそうだから」はダメ。「どう思う?」と聞く。たくさん質問する。
・「迷惑をかけるな」より「人の役にたて」と言う。
・勉強の意味を話す。親の失敗を話す。
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本のポイント
・主体性を育てる。子どもに目標設定させる、言い出しっぺにさせる、意思決定させる。
・挑戦させる。頑張らなければだめだと叱る。過保護は失敗から学ぶチャンスを奪う。
・子どもの興味は応援して、モチベーションアップに。応援する親には発言権と見守る義務。アドバイス・サポートをする。
・他人と違うことを恐れない。自分で考える。「他人がそうだから」はダメ。「どう思う?」と聞く。たくさん質問する。
・「迷惑をかけるな」より「人の役にたて」と言う。
・一芸に秀でさせて、自信を持たせる。
・視野を広げる体験を。本、旅行、その他体験。世界の本をリビングに。
・勉強は強制しない。親が学ぶ姿を背中で教えて、勉強を辛い時間にしない。学習習慣を日々の生活に組み込む。勉強はマストではなく、できたらいいもの。
・勉強の意味を話す。親の失敗を話す。学歴の大切さ(=選択肢の広さ)を教える。
・学校の友人環境が大切。友人が学ぶなら、自分も学ぶ。
・書く習慣、早期英語教育、日々色々な議論。
・多様性を学ぶ。考え方を一方的に押し付けない。叱る理由を言う。
・両親が仲がよいこと。喧嘩したり、お互いを馬鹿にしたりしない。子どもに差別や偏見を植え付けない。他のこと比較せず、信頼する。プラス思考で、努力を具体的に褒める。
●感想あれこれ
本のタイトルを教育の教科書的にする、表紙に外国人の子ども、本は太字や線引き部分だらけ、ここ1,2年はこんな教育本が増えて、しかも売れているようだ。こんな見せ方が今は売れる!、というトレンドが明確に書籍業界にあることを感じさせる。個人的には読みたくない程見にくいのだが、アマゾンの評価もそんなに低くないのが謎。内容的にはスタンダードで正当。
「他人と違ってもいい」(いわゆるMake difference的な話)をしっかり伝えることなどは、日本の一般的な教育では言われないので、いかにもグローバルビジネスマンの教育本っぽくていい。
ただ一流の育て方というタイトルと、著者のプロフィールが、教育関係とは無縁の、バリバリの外資金融・外資コンサル・PEファンド・国際弁護士など、ひたすらエリートキャリアの羅列になっていて、
「「一流の育て方」の定義は、「受け身の偏差値エリート・学歴エリート」とは全く異なります。「周りに流されず、自分らしい幸せの在り方」を考え、「自己肯定感を高め、主体的に自己実現する力」の育成方法です」
と言われてもバイアスがかかって、(主体性を持つ)学歴エリートからキャリアエリートの育て方を書いた売るための本、に見えてしまう面は否めない。(まあ、そういうことなのだろうが。)
アリヴェデルチッ!