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「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法」

1冊目はこちらから。

タイトルの通り、子どもは脳科学的に0-3歳、3-7歳、7-10歳以上に区切るべきという話から、それぞれのステージでやるべきことが書いてある。

●評価

全体評価:3+
(1,2,3-,3,3+,4,5の7段階評価)

内容:4

読みやすさ:3

コメント:脳の医学的観点から、お医者さんが書いた本。参考文献などの表示がゼロ。脳の働きからだけの話とは思えない程、具体的なアドバイスがあるので、心理学や教育学的な要素の話も混ざっている気がする。

(2011年発行、林成之著、幻冬舎出版)

多くの教育本と同じく、「子どもの主体性、好きや興味を育てる」ということが大切、というのが基本路線。

「~したがる」をうまく使うことを戦略とし、子どもの早期教育は是か非かという質問では、何をするかよりどう学ぶかが重要だと説く。

自主性を尊重し、子どもがやっていることをすぐに止めたり手助けをしないなど。

 

●本を読んで取り入れたいと思ったアクション

幼児の耳を鍛える(空間認知機能) 音階や語学など。

・姿勢をよくする

・本の読み聞かせで、話の続きを一緒に考える

 

●本のポイント
  • 0-3歳

・耳を鍛えることはいい。音階や語学など。

・空間認知機能を鍛えることがよいとして、体のバランスや姿勢をよくする運動や、本の読み聞かせで続きの話を考えることで想像力を養ったり、感情を共有することが重要。

・積み木、ブロック、裸足で遊ぶ

 

  • 3-7歳

・心と本能のギャップがうまく処理できない時期

・正しい姿勢や歩き方

・父親など両親の1人が子どもの逃げ道になること

 

  • 7歳~

・自分で決めたことを、達成したい。自主性を伸ばす。

・「勉強しろ」「~するな」「~しろ」はNG。

・決めたことはしっかり続けるように応援する。ただ自分で決めたことはやれ、と放置ではなく支援は大切。

・「~しろ」ではなく、親がうまく子どもに質問することが大切。

・叱る時は「おまえはダメな人間だ!」と全人格を否定せずに、逃げ道を作りながら叱るべき。叱る前に共感からスタートする。「みんな同じ間違いをするけど~/私も子どもの頃から~」などをうまく使う。

・物事の取り組む順番なども考えさせる

・勉強などで「ゾーン」に入るためには、自分の部屋やスペースが必要。

 

  • 10歳~

・父親の一番大切な役割は「背中を見せて、一緒に夢を語ること」

・子どもに悪い仲間ができたら深刻な事態。「仲間になりたい」は強力な本能なので、悪い方向に転がると大変。

※太字は私が勝手に共感部分にひいております。

 

●感想あれこれ

早期学習だけに限らないと思うが、無理な詰め込み勉強をさせて、勉強=嫌い・つまらない、にしないことが大切だというメッセージは全体からみられた。

7歳~の最後にある、自分の勉強部屋を与えるという点は、本によって色々違う提案があるので、意見が分かれるところ。ただ意図としてはリビングなどで勉強することで、親に監視されていると感じるならば、自分でしっかり時間をもって勉強できる場所が必要ということなのだろう。

父親が背中を見せて、夢を語ることが大切、という行動が脳科学的に正しいと立証されているとは思えないが、全般的な主張は筋が通っていて、理解しやすい本。

なお、記憶には4種類あるという話が面白かった。ランチに何を食べたかなど誰もがすぐに忘れる作業記憶、勉強によって覚える学習記憶、自転車の乗り方など体の使い方で覚える運動記憶、エピソードで覚える体験記憶。もちろん記憶としては体験記憶が最も重要なのだが、私が忘れっぽい物事は作業記憶なのだなと、妙に納得。

この体験記憶を取り入れた例として、アメリカの大学で、勉強した内容を授業の最後に生徒が言うことで、理解→考える→体験記憶、を活かす例は参考になった。

 

アリヴェデルチッ!