「楽」な就活時代から「楽しい」時代へ

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新卒の就活を表す漢字1字を尋ねたところ、1位は4年連続で「楽」。

6年の就活は「楽」 4年連続1位、マイナビ調べ

これはすごい。

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「7月の完全失業率は3.0%で21年2カ月ぶりの低水準」

失業率もそうだし、私の周りの会社でも、社員をとることに苦労している。

 

人生を左右する仕事。

いまだに新卒採用を重視する傾向がある日本社会では、就職活動は非常に大切だ。

そしてそこには、景気動向という自分の力でならない要素が大きい。

大手の金融機関など、景気が良い時と悪い時で何倍も採用人数が違う。一年一年よくここまで景気対応するなと思う程、新卒採用数も違う。景気が良い時は内定1000人出して、内定辞退も含めて何千人も内定を持つが、悪くなったら100人しか採用しない。こんな会社の経営計画は、はたからみたらメチャクチャと言うしかない。

 

就職活動で一番大切なことは、社会のマクロ動向だ。

自分では全くどうにもできない景気動向という要素で、生まれた世代(卒業する年)でラッキーとアンラッキーが明確に分かれる。

同じ大学で同じような学生でも3,4歳程度卒業年度が違うだけで、天国と地獄の差がある。

景気が悪い年に卒業する学生からすれば、本当に運が悪いとしか言えないが、どうしょうもない。

 

ラッキーな時代の新卒は、就職で苦労しないし、採用人数も増える。その分、同じ会社内比較では、当然能力が低くなる。100人しか就職できない時代の銀行マンと、1000人就職できる時代の銀行マンでは、同じ会社の看板で同じキャリアでも、当然同じレベルではない。そういった意味で就職ラッキー世代は、大変な面もあるかもしれない。

しかしなにはともあれ、仕事が見つけられるだけで、やはり圧倒的に運がいい。

 

現代社会は頑張って公平性を保とうとする。

私も機会の公平性については大いに賛成だ。

しかし、どんなに組織や制度を公平にしようとしても、そんなフェアな世界なんてない。

 

現代でも、生まれた時代や世代など、どうしようもない大きな要因が非常に大きい。

もし100年前の日本に生まれていたら、戦争に巻き込まれていただろう。もし、1000年前に生まれていたら、もし違う性に生まれていたら、もし大金持ちに生まれていたら、もし奴隷に生まれていたら•••

そう、ちょっと大きな視点で考えれば、「現代の日本」という環境に生まれただけで、私たちは幸せだ。
3つの幸せを噛みしめろ!

 

フェアにはなりきれない世の中で「楽」に生きるには、大きなマクロ動向の流れを知ることが最も重要だ。

 

世界を見渡して、歴史を見渡す。

すると私達が、限りなく「楽」でラッキーなポジションにいることがわかる。

 
世の流れに任せて、ただただどんどん楽な方向に生きることは簡単だ。

だが、それじゃつまらない。

この本にこんな一節がある。

居心地が悪くない世界はユートピアだ。しかしその世界は停滞している。

ある観点から完全に正当と思える世界は、他の観点からは恐ろしく不公平だ。

ユートピアには解決すべき問題はないが、チャンスもない。

 

楽で居心地のよい世界にただ生きていることは、ラッキーな世界に生まれた動物と変わらない。

ラッキーな「楽」時代に生まれた優位を活かす。

そして「楽」より「楽しい」が溢れるワクワクした人生を探した方が、人間らしい。

 

アリヴェデルチッ!