山中教授のiPS細胞の話から考える、死なない未来

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昨日の新経連サミット(NES2015)、Yoshikiの次は、iPS細胞でノーベル賞をとった山中伸弥教授の基調講演だった。

山中さん、研究ばかりの理系の先生というイメージとはかけ離れて、話が非常にうまくて面白かった。

専門外の我々にもわかりやすく、興味がもてるように、iPS細胞についてお話された。

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iPS細胞、改めて革命的だ。

山中教授らの研究で、人の血液などからiPS細胞を作れるようになり、将来的に病気になった場合に、自分の血液から悪くなる前の器官などを作ることができるだろう。

私も以前この辺の本を読んだが、詳しく知りたい人はどうぞ。

素人がただ興味あるだけだが、iPS細胞とか遺伝子とか生物の話は本当に面白いと思う。

人間という生物とは何か?

どのように出来ているのか?

こんなに興味深い話はない。

それが現代では、細胞単位やDNA単位まで掘り下げられている。

人間という生物がどんな生物で特徴があり、他の生物と違うのか。

そもそも生物とは何なのか。

素人ながら、この辺の領域の話はとっても面白い。

 

このiPS細胞に関連して、楽天の三木谷さんやセールス・フォースのマーク・ベニオフさんが、この研究に5億円の寄付をすると発表されていた。

日本でもこうしたフィランソロピー活動がどんどん行われて欲しい。

素晴らしい活動だと思う。

楽天・三木谷社長らがiPS細胞研究に寄付 計5億円

 

最近の未来論の議論では、悪くなった器官や病気は、こうした新たな細胞から正常な器官を作り出し、交換することが当たり前になるという論調が多い。

こうした未来が訪れるとすれば、それはこうした基礎研究の賜物なんだね。

そして、これから私達におこる医療はOne to one医療だろう。

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病名は同じでも、自分の体質や、細胞の特徴!?に応じた医療が行われる。

 

私がこれからのトレンドとして、大注目しているキーワードがカスタマイズだ。

20世紀のマス商品による、大量生産・消費の時間を経て、成熟社会ではインタネットとのコンビネーションで、全てがカスタマイズされるようになる。

上のスライドを見ながら、医療業界でもこのトレンドが起こることを確信した。

 

iPS細胞で技術的に細胞が、新しくて若いものに取り換えられる社会。

その先にどんな世界が待っているか。

それは、老いない社会・死なない社会だろう。

交通事故などで一瞬で命が奪われない限り、人は死ななくなる。

病気もしなくなる。

老いなくなるのだ。

つまり、体は交換可能なパーツでしかなくなる。

 

そんな時、改めて問い直す日が来るのだろう。

人間とは何か。

 

アリヴェデルチッ!